伴大納言絵巻

先週の「風神雷神図屏風」展に続き、
国宝 伴大納言絵巻を見に、出光美術館へ。


空いてるように見えたが、中に入ってから絵巻物にたどり着くまで
なんと1.5時間待ち・・・
祝日の午後になんか行くもんじゃない。


「伴大納言絵巻」とは、「応天門の変」を題材にした平安時代末期の絵巻物。

「応天門の変」はかなり興味深い。Wiki参照。
こちらのブログのまとめもわかりやすい。
ゴタゴタしまくりの権力闘争。この事件で結局一番得したのは誰なのか、がこの絵巻を楽しむポイント。


絵巻をここまでじっくり見たのは今回がはじめてだが、
時間軸の表現が凄い。
1枚の巻物の中で、時間の移り変わりを見事に表現。



上巻、応天門大炎上。辺り一面を覆い尽くす煙と炎。
野次馬として駆けつける民衆とあたふたする貴族。
上巻はあたかもパニックムービーの様相。
そのあとに現れた静寂・・・
そして突如現れる謎の男の後姿・・・!
この「間」が凄いなぁ。


中巻の見所は女中の悲しみと喜びの表情。
活き活きしてるなぁ。


下巻の子どものケンカの描写は圧巻。
ほんと動画だよ、これ。
噂話を広める人々の嬉々とした表情に何やらドキっとする。
人間って、昔から変わってないな。


全体を通したストーリー展開。時間の流れ。カット割り。人物の描き方。
どれも凄い。ただただ感嘆。
巻物といえば、闘龍極意書しか知らなかったわけだが、絵巻物、楽しい。


最新の光学的調査に基づく検証が、また興味深い。
応天門の変」の真犯人は一体誰なのか。
発注者である後白河法皇が絵巻物に託した意図とは何か。
これはワクワクする歴史ミステリー。
先週もそうだったが、出光美術館の説明はわかりやすくていい。


今回も素晴らしかったが、やっぱり1.5時間待たせるのはどうかと。
まぁ休日行く俺が悪いんだけど。展示方法、誘導方法はもう少し工夫できそう。


あと2,500円ケチらないでカタログ買っておけばよかったな。

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